2月7日(金)に筑波大学理工学群の松石清人教授をお招きして、2学年理系生徒向けの講演会を行いました。
元素の違いがどのようにして現れるかを、高等学校の授業では扱わない電子の軌道(s軌道、p軌道など)にも触れながら分かりやすく教えていただきました。また、レアメタルやレアアースに替わる材料を開発することで、地球規模で起こっている、もしくは起こりうる問題の解決につながるということも分かりました。地球規模の問題を科学技術で解決するためには、元素の特徴を活かす「元素戦略」が重要であることが生徒達にも伝わったようです。学校の授業(物理、化学、地理等)で学習した事柄が、それぞれ独立したものではなく、繋がっているのだということも、講義を通して感じることができました。
講義中は生徒が自主的に挙手して発言しており、講義の終盤には質問する生徒もおり、大変有意義な時間となりました。

以下は生徒たちの感想です。

物質の最小単位である原子の観点から、地球規模のスケールで限りある資源を有効に使おうという考えまでの幅広い話を聞き、関心を持ちました。普段何気なく利用しているLEDやスマートフォンにもこの考えが反映されていることを知り、元素化学が私たちの生活に大きな恩恵をもたらしていることを実感しました。最後に松石先生の「これからは1つのことに特化するだけでなく、さまざまなことに対応しなければならない。」という話を受けて、苦手な教科だからといって割り切って諦めるのではなく、苦手な教科に対応できるような学習をしていかなければならないと思いました。

今日の理系のための講演を聴き、私たちは将来、様々な科学技術に携わっていくのだということを改めて実感しました。たくさんの研究や開発が行われている現在、今ある資源をいかに有効に使い、コスト削減できるかということが重要視されているのだということを初めて知りました。そのために、“元素戦略”を行っていることも知ることができました。自分が大学について調べるときに、このようなことを考えるなどして、進路決定に役立てていきたいです。

講演会では、原子について深く掘り下げて話をしていただきました。僕は1つの原子でも同素体になると、性質が変わりうるということをもともと知っていましたが、その他にも1つ1つの原子がさまざまな可能性を秘めているということを学び、化学の奥深さに感動しました。また、講師の先生が最後に言っておられたI型、V型、T型、W型の人間の話を聞いて、1つのことを極めるI型の人間ではなく、さまざまなことを学んだW型の人間になれるよう、これから努力していきたいと思いました。

現在はすばらしい製品が作れていても、その元となる部品が豊富かつ容易に作れるものでなければならないというところに、ものつくりの厳しさを感じました。周期表やランタノイドのお話からも、その代替製品の必要性が感じられました。最後の質問を受けて「炭素だけでもたくさん調べられることがある。」とおっしゃっていて、私は身近な炭素でさえも、分からないことがそんなにたくさんあるのかと驚きました。