期末考査を終えた翌日の7月16日(木)、本校講堂において、出口汪(でぐち ひろし)先生を講師に迎え、進路講演会を行いました。

 先生は、40年以上大学受験などの教育に携わってこられました。代々木ゼミナール・東進予備校では大教室が満員になるほどの人気講師であり、ラジオ講座講師、受験者向けのラジオ・パーソナリティー、大学の客員教授などの経歴をお持ちです。

 書かれた参考書は100冊を優に超え、その売り上げ累計は1,300万部を突破するなど、著作の多くはベストセラーとなっています。「論理エンジン」の開発者として「論理的思考」の第一人者でもあります。幼児から中高生、社会人を対象に幅広く「論理的」な学びの場を全国で展開し、今年はYouTubeでチャンネルを開設するなど、ネット上でも活動の場を広げておられます。

 当日は東京からお越しいただく予定になっていましたが、コロナウイルス感染防止のためインターネット回線を利用したリモート講演となりました。(休校中に導入したG Suite for Education のGoogle Meetの機能を活用しました)

 演題は「受験に向けての心構え」です。第1部では「受験生としてのあり方」、第2部では「論理的思考はこんなに役立つ!」というテーマでお話いただきました。

 第1部では、7月中旬から8月にかけては、日頃の学習の3~4倍の学習が可能で、それは日常の半年分に相当するとして、この期間の学習の意義と重要性を強調されました。次に、受験生として、どんな時期に何をしなければならないか、時間の流れに沿って話されました。具体的には、基礎・基本を固め、学習量を確保し、時間を意識し、最後に過去問に当たればよいということでした。専門の現代文を例にとり、設問を「論理的」に正しく読み取り、それに答えることが重要だと話され、他教科への有用性についても説かれました。「論理力」をアップさせるために、自著の教材を講義する授業を無料で視聴することも提案されました。
 第2部では、社会の変革や変化に伴う第4次産業革命時の社会(AIやロボットが活躍する社会)にあって、AIにできなくて人間にできることはコミュニケーションであること、また、人間は受身な姿勢ではなく、自分で考えて判断し、行動できるようにしなければならないことを話されました。そのような社会の中では、他者に向けて「論理的」で「分かる」文章が書けたり、「論理的」で「分かりやすい」話し方ができたりすることが重要であり、「論理」を常に意識する必要があると説かれました。

 質問時間は10分を予定していましたが、生徒は次々と質問し、20分以上超過した質疑・応答となりました。「論理の習得には評論が適切か」「先生の話は明快で説得力があるが、話をする際、何を意識しているのか」「日本語力と語彙力の関係は」「合格する生徒と合格できない生徒との違いは何か」「論理的な考えや判断が求められる社会に、数学は必要か」といった質問に、出口先生は、質問のそれぞれにご自身の考えを、理由や具体例をつけ、丁寧に時間をかけて回答してくださいました。時間の都合でお答えできなかった他の質問については、YouTubeのチャンネルで答えていただけることになりました。

 生徒たちは、先生の話に引き込まれ、最後にはメモを取ることも忘れ、身を乗り出さんばかりに聞き入っていました。先生の熱意がとても伝わってくる講演でした。

以下は、生徒の感想です。

 今回の講演を聴いて、国語における論理力がいかに必要かがよく分かりました。大学受験では、論理力が問題を読み解く読解力、あるいはそれを表現する力につながる上に、各教科の土台となるので、国語の学習を甘く見ていた僕は、はっと目を覚まされたような感覚を覚えました。また、大学受験以外でも、論理力は物の考え方、捉え方、そしてコミュニケーション能力を伸ばすことにつながるので、目先の勉強にとらわれない観点で頑強していくべきだと悟りました。今後予想されるAI時代に対応できるような論理力を身につけることができるようにしていきたいと思います。(1組)

 私は今回の講演を聞いて、これからの社会で生きていくために、自分の言葉を持ち、自分で考え、これから起こることをイメージしていきたいと思いました。また、今大学を選ぶ上で、良い先生や生徒などがいる良い環境が整っているかどうかを重視していきたいです。しかし、自分が大学を選ぶためには、今たくさん勉強することが大事だと思うので、計画を立てて、しっかり勉強していきたい。(2組)

 僕は現代文という科目は、訓練しなくてもそのうちに上がると考えてしまっていた。今日の講演会を聞いて、その考えは間違っているということに気がつきました。また、合格する人とそうでない人との差というので、「依存性」ということをおっしゃっていました。僕も今考えてみると、分からない問題があるとすぐに先生や友達に聞いていたと思いました。これからは、なるべく自分で考え、自立していきたいと思います。(2組)

 私はこれまで「論理的思考」がどういうものなのかよく分かっていませんでしたが、今日の講演を通してよく分かったし、それがどのように役立つかも分かりました。
 これからのAI・情報社会の中で、私たちは人の言うことに従うのではなく、自分の言葉・意志をもって行動しなければならない。大学でどのような力をつけるかが、ほとんどの仕事がAIに奪われた社会の中での生き残りにつながり、良い大学を目指すのは学歴のためではなく、よりよい力をつけるための環境を整えるためである。現段階では、この仕事に就きたいと具体的な職業を目指すより、自分が何をしたいのかを明確にし、選択肢を増やしておきたいと思います。(3組)

 国語の文章題において点数がとれないのは、要点と飾りの識別ができていないから。文章を読むときは自分勝手な解釈や偏見を持ち込まない。頭の中で推理できるようになる。論理エンジンを繰り返して、言葉の規則を確認する。現代文は、他の教科と違い、量をこなすことが大事。問題集の使い方は、自分で解き、解説を見て、講義を聴き、再び解説を読む。将来を生き抜くためには、今の固定観念や周りの価値観に流されず、自分で考え行動することが大切。(3組)

 私がこれから実行していきたいと思うことは3つあります。
 まずは、論理エンジンを復習することです。私は最近ずっと現代文はどうやって点数を上げることができるのか悩んでいました。でも、今日の講演を聞いて、現代文で点数をとるには、まず基礎のフォーム(要点や論理的なつながり)を固めることが大事だと知ったので、もう一度論理エンジンを通して復習しようと思います。2つ目は、夏休みまでに、文書を読み、量をこなしていくことです。入試本番に、初めて見る問題を理解できるようになる論理度を高めるために、量をこなして論理的思考が身につくように頑張りたいです。3つ目は、自分の視野を広げていくことです。スウェーデンの人々の話を聞いて、成長するには現状維持ではダメだと思いました。保守的ではなく、常に新しいものに興味を抱き、向上心をもって、自分の限界値を上げていきたいです。(4組)