2学年では、5月22日(水)の「総合的な学習の時間」に、グローバルな視野に立脚したキャリア観を養成することを目的として、キャリア講座を行いました。東京からNPO法人「緑のサヘル」事務局長の菅川拓也氏をお招きし、「アフリカに緑を、子供たちに笑顔を」という演題で講演をしていただきました。
講演は、できるだけ少人数で聞けるようにとの配慮から、理系が午前、文系が午後の計2回講演を行っていただきました。
講演の内容は、
①アフリカの貧しい地域での人々の暮らしの紹介
②貧しい生活の背景となる、現在の過酷な自然と厳しい生活環境の説明
③菅川先生の体験を交えた、「何になりたいか」「どういう生き方をしたいか」という自覚が芽生えた時への準備
④ナイロビにあるスラム街(キベラ・スラム)のマゴソスクールの生徒たちの歌の動画を踏まえた、人としてのあり方を考えてほしいというメッセージ
の4部に分かれていていました。密度の濃い約100分間の講義でしたが、生徒たちは終始集中して聞き入っていました。大きな学びのある講演でした。

以下、生徒の感想の一部を掲載します。

・世界で困っている人たちがいるという事実について知っていたが、改めて理解することができた。
・自分の生活を改めて考え直す機会をもらえたと思いました。
・一番衝撃で、印象的だったことは、最後のビデオです。自分のことではないのに、誰かのために泣く、歌を送る、そんな健気な子供達を、飢えや病気で死なせてはいけないと感じた。
・今まで支援とは先進国が途上国にするものだと思っていましたが、相互に助け合うことだと思いました。
・NPO(緑のサヘル)の活動は、サヘル地域の人々に自分がどんどん奉仕するのではなく、サヘル地域の人々がサヘルに森林を増やしたり、害のない飲み水を確保できるようにしたり、安定した食料ができるように畑を作ったりするのをサポートすることだということを学びました。
・先生がおっしゃっていたように、勉強はいつか自分に返ってくるもの。将来の職業の選択肢を増やしたり、仕事の中で勉強したことが活きてきたりするものなので、頑張りたいと思いました。
・人種・国籍は違えど、人間の本質は同じで、人を悦ばせたいという心が必要。
・アフリカの人々は貧しいが、時の流れがゆっくりで、おだやかな生活を送っていることが分かった。
・ユニセフの募金がどのようなことに使われているのか調べてみようと思った。
・今回の講演では、自分の将来をしっかりイメージすることを特に学びました。自分のしたいことを紙に書きだして、しっかり目標をもって勉強していきたいと思いました。
・今日の講演を聞いて深く思い直したのは、これから自分がどう生きていくか、自分がこの世界にどんな形で役に立つことができるかということです。
・こどもたちは家族全員が暮らすために自分が果たさなければならない仕事の責任を理解し、それにプライドをもっている、グレたりすることがほとんどない。お年寄りは村の若い人達に本当に大切にされ、見守られながら穏やかに亡くなられるので、日本のような孤独死だとか介護労働問題ということが起きない。人間として最も大切な部分思いやりの精神とかが生活に根ざしている。
・私たちが誰かを幸せにするためには、お金だけが必要ではなくて、話し合いやアイディアを出すことだと考える。そのための学校だったり、多くの人との関わりだったりがあるのだと考える。だから、今はここで一生懸命生きたいと思う。
・今、学んでいることが将来、いつ、何につながってくるのかは分からないけれど、一つ一つのことに一生懸命取り組もうと思いました。
・NPO法人の間での合い言葉である、“今あなたが何を食べようか考えているとき、世界中のどこかで今日何か食べられるかもしれないと考えている人がいる”という言葉が特に印象に残っている。
・できるだけ買った分の食材は計画的に使い切りたいと思った。
・私達が今生死の不安もない将来について充分に考えられるという環境にいられて、とても幸せだと思った。

NPO法人「緑のサヘル」のホームページはこちらからご覧いただけます。